中小企業の多く、特にBtoBの製造業系企業においては、自社のホームページが原因で発生している「機会損失」にほとんど気づいていません。
製造業系の企業がホームページを長らく放置すると、必ず「機会損失」が発生します。それでも売り上げが上がっている理由は御社の営業マンが「ホームページで発生する機会損失」をフォローするべく必要以上に頑張っているのかもしれません。
ホームページと営業マンと会社の方向性と動きが一体化して同じ目標に同じ目線で向かうとどれくらい営業効率が上がるでしょうか。
ホームページが原因で「機会損失」が起こっている場合は、以下のような問題が考えられます。
1.ホームページのユーザビリティの問題
ユーザビリティとは、ホームページを見に来た人がわかりやすい、と感じるかどうかです。わかりやすい、ということの条件には、
・見やすい(自分の欲しい情報を得やすい)
・使いやすい
・ナビゲーションわかりやすい、など、
自分の目的とする情報が得られやすい、ということがあります。
また、ホームページ自体の使い勝手が悪いと感じてしまうような作りになっている場合は、上記とは反対になっている状況が考えられます。
問題は、一般的なインターネットユーザーにとっては、上記の条件がクリアできていることが「当たり前」であり、そうではないホームページの場合、ほとんどの人はそのホームページを見ようとは思わない、ということです。
会社や商品・サービスのことを認知してもらう前に選択肢から外されてしまう、というのが現実です。
2.ホームページに問い合わせされるまでの導線ができていない?
ユーザーが求める情報がわかりやすく掲載されていても、ユーザーがその後どうすればよいのか?の行動(アクション)の仕方を明確にしてもらっていないと、ユーザーはどうすればよいかわからず迷ってしまいホームページからの離脱につながります。
わかりやすく情報を伝えたら、そのあとは、すぐに問い合わせできるように問い合わせフォームへのリンクを貼ったり、問い合わせ前に「他にも知っておきたい」とユーザーが考えるであろう情報のページに誘導するなどの対策が必要です。
また、ユーザーは自分がこの会社に問い合わせをしても良い対象なのかどうかを知りたいです。ですからユーザーに対して、「あなたはこのホームページに問い合わせしても良い対象の人物ですよ」、ということがわかりやすく記載されている必要があります。
例えば、
ーーーーーーーー
「〇〇をしている」「▽▽な人」や
「◇◇の」「■■な方」は、
今すぐ下記からお問い合わせください。
ーーーーーーーー
など。
3.そもそもホームページが見られていない?
よくある問題として、そもそもホームページが閲覧されていない、ということがあります。その理由は、「検索されていない」ということがほとんどです。
どういうことかと言いますと、普通、ホームページが閲覧されるきっかけは以下の場合がほとんどです。
①「社名検索」…例えば「株式会社バーブワイヤー」などで検索し表示された検索結果画面の該当箇所をクリック
②「事業内容にかかわる検索キーワードでの検索」…例えば「半導体製造機器 はんだ付け」などで表示された検索結果画面からのリンク
①の場合は、何らかの形で御社のことを知っている人、
②の場合は、御社のことは知らないけど「そういったことができる」企業を探している人
となります。
多くの場合、②はその対策を考えてホームページを活用しているか、ホームページに掲載する内容が相手にわかりやすいようにと、きっちり「ターゲティング」して、ホームページで行う目的を明確にしている場合に、検索結果の上位に表示される施策(いわゆるSEO対策や、コンテンツマーケティングなどの情報発信)を行っている企業が対象となります。
そして、中小企業はこの②が発生するようにホームページで施策を行うことが、無駄な広告経費を削減し、確実に顧客を獲得するための手段である、と、「業界」では言われています。
しかしそれは「WEB業界」で言われていることであり、WEB業界ではない「製造業系の企業の社長や担当者」にはなかなか耳に入りづらい。しかも、耳に入る場合は「WEB業界」からの営業であり「素直に聞けない」。
また、当然のことながら、「製造業系の企業の社長や担当者」と同じ業種でうまくいっておられる方々は、よほどのことがない限り、そのことを教えない、また、言うきっかけがない、言うと自慢だと思われると思って言えない。
これが負のループとなり、日本の中小企業、特にBtoBの製造業系の企業が行うべき広告施策としてのホームページの活用が日本において発展しない大きな理由だと感じています。
「WEB業界の人の言うことが聞けない、疑わしい、お金がかかりすぎる、理解できないことにお金を払いたくない」
そんな風に思っておられるBtoBの製造業系の中小企業の経営者は、自ら勉強するしかありません。もしくは、とことん自分が信用できると感じられる業界の人に、損得勘定抜きで教えてもらう、そういった努力を行うことが必須だと思っています。
今後、この施策はどんどん発展していくと思われます。
4.長らく情報が更新されていない
今や、WEBサイトの情報が更新されているのは普通のことです。
また、Googleの改訂に次ぐ改訂の末、SEO対策としても、現在は、検索結果の順位を上げるためには、情報の質と量、そして更新頻度である、と言われています。
以下のような状態で放置されている製造業系の企業ホームページの場合は、対処することをお勧めしています。
●情報を更新するべき箇所がない、
●「お知らせ」等を更新した日付が何か月も前のまま、
●製品情報などが古いまま
●退職した社員の写真が掲載されたまま
●会社の沿革が数年前で終わったまま
こういった状態のホームページは、実際に会社がちゃんと運営されていない、と直感的に感じられてしまう傾向にあります。
実際にはきちんと運営されている企業であっても、ユーザーはよほどのことがない限りわざわざ電話で確認したり、実際に足を運んだりしません。
ホームページの「お知らせ」に何を掲載したらいいかわからない方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
今はインターネットの情報がすべてであり、情報であふれたインターネットの世界であれば、御社のサイトに情報が掲載されていなければ、よそのサイト(よその会社のホームページ)に自分の欲しい情報を探しに行く、ということがたやすくできるのです。
もし、御社の製品やサービスを導入しようと考えている人がそのホームページを見たら、多くの人が発注するのをやめようと思う、という調査データも出ています。
ホームページが更新できない状態にある場合は、私たちのようなしかるべき専門家に相談してどうにかすることを考えることをお勧めします。
ホームページをいきなりリニューアルしないといけない、ということはありません。
ホームページをリニューアルする、となるとそれなりに時間を要します。その間にも機会損失は発生し続けますので、いずれリニューアルするにしても、いったん、現状のホームページを更新できる状態にして、できる限り、最新の情報を発信しておくのが良いでしょう。
5.セキュリティ対応がされておらず警告が表示されている(常時SSLができていない)
かつて、ホームページの「問い合わせフォーム」など、個人情報を入力して送信するページにのみ、sslというデータを暗号化して送受信するプログラムを実装する必要がありましたが、日本では長らく見逃されてきました。
昨今ではフィッシング詐欺などのような問題が発生することが多くなり、また、インターネットユーザーもスマホの登場以来、増加の一途をたどることから、より安全にインターネットを利用できるようにするために、WEBサイト(ホームページ)全体に情報の送受信を暗号化する必要性が叫ばれるようになりました。
ホームページを閲覧しているときの上部や下部に出ている「URL」というホームページのアドレス部分に鍵マークがついているものです。
鍵マークでなく「安全ではありません」と記載されている場合は、セキュリティがかかっていない(暗号化されていない)ということになります。
もっと詳しく伝えるには、それなりの技術的知見がある人でないと理解はできないため、これぐらいの説明にとどめますが、WEBサイト制作業者であれば、今どきはどこの業者でも対応が可能なくらいのメジャーなものになっています。
6.スマホファースト(スマホで閲覧しやすい見え方になっていない)
言うまでもなく、今はほとんどのビジネスマンがスマホを持っています。
情報を収集するために、パソコンを使うビジネスマンも多いかもしれませんが、やはり、スマホに適応した見え方になっていなければ、ちょっとしたタイミングでの情報収集の際に御社のサイトの情報を見てもらえない、他社と比較する土俵にも乗せてもらえない、ということが発生しやすくなります。
また、スマホユーザーが多いために、スマホ適応されていないサイトは、検索順位の結果にも響くといわれています。
できる限り、スマホ対応は進めるべきだと考えられます。
7.読み込みのスピード(サイトの表示に時間がかかる※インターネットの速度が正常の場合に)
ホームページを公開するWEBサーバーが動きの遅いものを使用していたり、また、やたらに重い(大きい)画像を大量に使ったりしている場合、変なシステムを動かしていたり、様々な要因でWEBサイトの表示スピードが遅くなることがあります。
検索順位の評価も下げますが、何より、なかなか開いてくれないホームページが開くのを、今どきのユーザーは待ってくれません。
開かなかなければすぐにあきらめ、別のサイトを見に行ってしまいます。
これも、目の前でユーザーの動きを見ているわけではないので、そういった事象には気づかないことがほとんどです。
以上
ざっと、簡単にホームページを意識せずほったらかしにしていて発生している「機会損失」の例を挙げてみました。
思い当たることがある場合は、対処することをお勧めします。
すべてを一度に行う必要はないかもしれませんが、機会損失は止めるべきです。
気になることがあれば、業歴25年以上の弊社にお問い合わせください。
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