- 2017-4-17
- 組織運営
人の能力を推し測るということ
人の能力を推し測る視点として、「これまで最も苦労したことと、その対処方法」を聞くのが一番わかりやすいと言います。私にも思い当たる記憶があります。
私が24年間お世話になった所属事業場では、5年に1度の能力判定が義務付けられていました。
この試験を受けるということは、個人差はあるものの、かなりのストレスがかかります。理由は大きく2つ。
- 試験に向け、多くの時間を割いてプレゼン準備をしなければならないということ。
- 普段の業務とは異なる「質疑応答」の備えをしなければならないということ。
この質疑応答においてメインとなる質問が
「あなたが最も苦労した点は?そして、その時あなたが行った行動は?」なんです。
今になって思うこと
今になって、この質問は非常に的を射た質問だと思います。
苦労した点というのは、他人からみても「確かにそれは大変だ」と共感できなくてはいけません。
また、「誰でも出来る当たり前のこと」ではなく、「自分なりの創意工夫」が求められます。
これらのことを、面談官に対して「わかりやすく、端的に」説明しなければいけません。
一方で、苦労した事案というのはたいていの場合、そんなに端的に述べられるような事象ではありません。
「複雑な事象を、端的に表現すること」を求めらます。つまり、とても難易度の高い質問だということです。
そんなわけで、面談官からの「説明が助長的」というコメントを頂くこともしばしば。
結論、この質問ひとつで「考える力」「独創力」「突破力」「説明力」など、
様々な能力が伺い知れることになります。
中小企業の就職面接
中小企業の面接には「人の潜在能力を判断する」要素が存在しないと感じています。
私は24年間お世話になった会社を退職後、いくつかの中小企業の就職面接を受けました。
- 私は先方の会社の下調べをするなどの準備をし、
- 自分をよりよく魅せ、
- 面接をパスしたいと思って
- 面接に臨みます。
しかし、多くの場合、会社側の説明に終始するのです。説明を聞いている時間の方が長いということです。
これでは私という人間を判断しようがない。結果、間違った人の入社を許すことになります。
中小企業の採用面接のジレンマ
会社発展のためには、のどから手が出るほど「働き手が欲しい」のかもしれません。
実際問題、そのような面接で「本当に信頼できる仲間を増やすことができるのでしょうか?
例に漏れず、弊社も同じ過ちを繰り返しています。面接に来た人に対して、少しでも弊社の魅力を訴求しようとしてしまう。
これは大いなる間違いです。
結果的に「両者にとって不幸な結果しか招かない」という致命的な過ちを犯してしまうことになります。
本当に仲間を増やしたいのなら、選んでもらえないことを覚悟の上で、聞くべきことをぶつけるべきです。
日々楽しく、会社に貢献できることに喜びを感じながら活躍できる人かどうかを見極めるべきです。
今日の東洋経済ONLINEの記事(2017.04.17)にこんな記事を見つけました。
何故、日本には外国人労働者が殺到しないのか?
なんと、日本の「働く国」としての魅力は、調査対象61ヵ国中52位だそうです。
これほど魅力がないからこそ、応募者に媚びるような面接が主流になってしまうということでしょうか。
- 確かに、小難しい条件掲載が多くて、全てを満たすことが難しい
- 奇跡的に全条件を満たしても、人は会って話をしてみないと、結局何もわからない
と、思う私です。
人材採用も商談も、突き詰めれば同じこと
人材採用に限らず、「誰と一緒に仕事をするのか」を焦点にすれば、ビジネスも同じこと。
特に、弊社のような仕事の場合、契約してから長いお付き合いになります。
だから、人と人との良質なコミュニケーションが不可欠です。
そのために大事なことは、ストレスなく意思疎通が出来ること。
お互いに、腹を割って話が出来る「安心した対面でのお付き合い」が弊社のモットーです。