- 2021-5-13
- HP制作と運用
今日はタイトルからして、少し小難しい、わかりにくい、でも、WEB制作を請け負う上でも、WEBを運営する側としても、既に多くの人が知っている知らないに関わらず利用しているCMSである、WordPress(ワードプレス)に関係する、非常に大事な著作権絡みの内容について少し触れておきたいと思います。
Openverse と改名される CC Search が WordPress プロジェクトに参加し、ゆくゆくは CC Search をWordPressのメディアライブラリに統合するという話題が WordPress の公式ニュースに上がっていました。
✳︎CC Search(クリエイティブ コモンズ検索)
また、内容は英語ですが、以下、WordPress Tavern にも、この統合が素晴らしいものをもたらす、といった内容の記事が上がっています。
✳︎WordPress Tavernは、WordPress専門のメディアで、製品に関する主要なニュースをカバーしています。
https://wptavern.com/openverse-why-this-project-is-good-for-wordpress-and-the-web
✳︎ この「CC」とは、クリエイティブ コモンズ ライセンスのことで、それはインターネット時代の新しい著作権ルールのことを言っています。クリエイティブ コモンズ ライセンスは、写真やプログラムなどの作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使っても構いません」という意思表示をするためのライセンスです。
https://creativecommons.jp/licenses/
引用:クリエイティブ コモンズ ライセンスとは
そして、更に「CC Search」については、以下に説明を記載します。
CC Search とは
クリエイティブ コモンズによる画像・音声・動画検索サービスです。
https://search.creativecommons.org/
上記は、英語のサイトですが、シンプルなキーワードを入力することで、二次利用の範囲が明確になっている画像などを探すことができるサイトです。
✳︎クリエイティブ コモンズ独自のサーチエンジン
これはなんとも素晴らしいサービスですね。
クリエイティブ コモンズ ライセンスのもと、著作権というルールに則って、自分が自由に、あるいはある程度の制約をもって使える画像を探せるサービスです。
このサービス自体は文句の付け所が無くインターネット上でメディアを使う、あるいはクリエイティブ コモンズ ライセンスでメディアを公開する、誰にとってもにも便利なサービスに思えます。
しかしながら、実は少し問題と思われることがあります。
実際に「business」というキーワードで検索してみましょう。
https://search.creativecommons.org/search/image?q=business
(ときどき検索がエラーになることがあります。外部リンクからの検索だからか、そもそもときどきエラーになるのかは不明です。500エラーが発生した場合はリロードしてみてください。)
どうでしょうか・・・ブログサイトやコーポレートサイトなどに挿入したくなるビジネスに関連した画像が・・・いくつかは見つかったでしょうか。
しかし総じてビジネスとの関連性もそうですが、ちょっと画像の品質の悪いものが多いな、という印象です。また、人物が映っているものが多く、肖像権などの問題に留意して使う必要がありそうです。
次に日本語で「ビジネス」と検索してみましょう。
https://search.creativecommons.org/search/image?q=%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
ビジネスに関連する画像も混じっているようですが、ほとんどビジネスと関連がなくちょっと使えない印象です。
一方で、「sky」「sea」「beach」などの自然や風景に関する画像は非常にきれいなものを選ぶことができそうです。
ところが「空」で検索するとひどい目にあいます。テレビドラマの1シーンと思われる画像も混じっており、ライセンス上の問題がありあそうです。
WordPress との統合は時期尚早?
このブログの冒頭の、
Openverse と改名される CC Search が WordPress プロジェクトに参加し、ゆくゆくは CC Search をメディアライブラリに統合するという話題が WordPress の公式ニュースに上がっていました。
これは、そのOpenverse(=CC Search)が、WordPress プロジェクトに参加し、そのうちWordPressのメディアライブラリに統合される、すなわち、WordPress内でOpenverseを利用できるようにするということを意味しています。
これが画期的で偉大な一歩であることには同意すべきだと思っています。。
しかし、この画像品質・検索品質であるならば、WordPress のメディアライブラリ上で、それらが挿入できるとしても、世界中の人がみんなハッピーにはならないと感じます。
このサービスで検索される画像がどのようにインターネットの世界から抽出されているか分からないですが、検索されるものの品質の良し悪しだけでなく、少なくとも、ライセンス上の問題のある画像(先述の「肖像権」ほか)をきっちりと弾く仕組みが必要です。
また、多言語での検索水準の向上も必要です。
要するに、まだまだネット上から流用する画像などについては、著作権というルールをしっかり確認して利用する必要があり、安心できません。悩ましい問題ですね。クリエイティブ コモンズ、頑張って欲しいです。
この機能が気になる方は WordPress の slack #openverse チャンネルでその進捗や議論をチェックすることができます。
※アイキャッチ画像は「Use commercially」「Modify or adapt」にチェックを入れ、「business」で検索したときに2番目に表示された画像です。1番目の画像の肖像権がどのようになっているのか分からなかったので2番目を選びました。