- 2017-7-27
- Analytics(効果測定)
近頃、シンギュラリティ:技術的特異点の「脅威」が気になって仕方ありません。
シンギュラリティとは
このシンギュラリティ、AIの研究者の方々の間では「脅威」という認識はないようなんです。
ご参考:シンギュラリティで人類はどうなるのか 中島秀之(東京大学 特任教授)×松原仁(公立はこだて未来大学 教授) Part.3
私のつたない理解でいくと、AIとは「教育」出来る分野に限って優秀なのであって、「生きる能力」などに分類される、人間ならではの「経験値に基づく学習」は苦手なんだそうです。つまり、AIはさほど賢くはない、という見解だそうです。
そしてこのシンギュラリティ、元々は人間が生み出した人口知能が、更に賢い人口知能を生み出し、最終的に垂直発展を遂げていくということ。
この垂直発展の源は、コンピューターの情報処理能力の劇的進化。
- その昔、大きな汎用コンピューターが1年もかかって処理していたものが、
- 今ではものの10分で完了してしまう、
という驚異的情報処理能力の最終到達点というところでしょうか。
レイ・カールワイツという天才
10年も前に「シンギュラリティは近い」という著書をしたためた レイ・カールワイツ という人は
- A.I研究の分野において、最も重要な人物の1人であり、
- 2012年に「Google」にヘッドハンティングされ、
- 2015年に同社のA.I開発分野で総指揮を執る事になり、
Googleの検索エンジンは大きく変貌を遂げることとなります。
この「シンギュラリティは近い」という著書の中では、
- 人間はAIと融合するだの、
- 永遠の命を手に入れるだの、
- 人間は自分の脳内の神経接続を自由に変更できるだの、
性格や人格、知能や能力までもが自分でプロデュースできるが如く、
SF小説どころではない、ぶっ飛んだ近未来が予測されているんだそうです。
小心者の私としては、是非とも「永遠の命を手に入れることになる前に」この世を身罷りたい、と願うばかりです。
Google検索エンジンの大きな進化
Google検索エンジンは、情報処理能力の驚異的進化により、
- 10億を超える現存サイトに加え、
- 日々、サイト数も、ページ数も増え続け、
- 総ページ数は30兆ページ、いや、それ以上という
想像を超える情報を対象に、
- 数えきれない無数の検索キーワード毎に、
- なんらかの条件に基いて評価を行い、
- ランク設定を実施。
ほんの20年前には、考えられなかった魔法のごとき所業です。
さらに、レイ・カールワイツ氏がGoogleの検索エンジンの総指揮を執るまでは、
検索エンジンにAI技術は適用されておらず、天下のGoogleと言えども、文脈評価はかなり稚拙なものだったようです。
詳細の判定基準は公表されていないため、いずれも推測の域を出ませんが、
- 1ページに出現するキーワードの「数」が評価基準になっていたり、
- キーワードに関連する情報であれば、「内容の質」によらずそれなりの評価を受ける
など、厳密な評価とは言い難い「判定基準」が存在していたようです。
それでも、その判定基準をクリアするために、
- 発信内容、読みやすさに加え、「キーワードの出現率」への配慮が必要で、
- 「質」よりも「量」を重視し、記事を量産しなければいけない
など、情報発信者にとって、無駄な負担がかかっていました。
レイ・カールワイツ氏の登場で、
- 情報判定性能が各段に向上し、妥当な評価が可能になったと共に、
- 情報発信者にかかっていた「無駄な負担」が大きく軽減された
ということになるのではないでしょうか。
キーワード別に見る順位に対する疑問
一方で、キーワード毎の評価に、私は小さな疑問を抱いています。
下記は、弊社ホームページの検索クエリの現状です。
ホームページ制作 大阪 :69位
ホームページ作成 大阪 :62位
大阪 ホームページ制作 :37位
ウェブ制作 大阪 :76位
大阪 ホームページ作成 :55位
ホームページ 制作 大阪:71位(※ 上記一覧より抜粋)
上記6つのキーワードは、本来全て同じ意味合いのものです。
何故なら、これらのキーワードで検索している人は、おそらくみんな同じ情報を探している筈だからです。
Googleの検索エンジンが、ホームページの情報を正しく理解し、正当な評価をしているのであれば、本来、全て同じ順位となっていいのではないでしょうか。
- もちろん、そこまでの精度を追及する必要はないのかもしれない。
- あるいは、AIが苦手な「フレーム認識」の問題なのでしょうか?
AIにおける「フレーム認識」とは?
私もにわか知識で、うまく説明できませんが、
- 人間にとって「部屋」を認識することは簡単でも、
- AIが「部屋」を正しく認識するためには「膨大な情報を必要とする」ため、難しいことなんだそうです。
例えば、
- 床があり、
- 天井があり、
- 壁が4面存在し、
- ドアがあって ・・・
などの法則を得ることによって、はじめて「部屋」と認識出来るようになる。
つまり、前術の6つのキーワードを全て同じもの、と判断するためには
- ホームページ = ウェブであり、
- 制作 = 作成であり、
- 「大阪」は前でも後でも同じ意味。
という情報を与える必要があるということなんです。
加えて、前提となる情報も、一体どこまで与えるのか?という問題を抱えています。
- ホームページ=ウェブ = Web=サイト
- 制作 = 作成 = 製作 = 製造
とするのか?
あるいは、もっと情報を与える必要があるのか?
更に、前提となる情報は、
- どんな状況であっても、統一的に使えるのか?
- 状況によって変えなければならないのか?
人間がファジーに判断している「簡単なこと」は、AIにとっては、とても難しいことなんです。
来たるべき近未来
情報発信者の立場からは、更なる情報評価ロジックの精度向上を望む一方で、
一個人としては、これ以上AIの発展を希望してなどいません。
- 人間はAIと融合などしてはいけないし、
- 生まれた以上、必ず死ぬからこその人間であり、
- 自分の能力や性格を、変幻自在に操れないからこそ
- 個性が存在し、唯一無二の存在となるのが人間。
- 出来ることが限られている「悲しき性」を背負っていくことこそ、人間の醍醐味。
ではないでしょうか?
みなさんは、近未来に迎えるであろうSFさながらの現実世界、どのように受け止めますか?