- 2017-7-13
- 弊社のモットー
いつから、こんなにも人間は利便性を追求するようになったのでしょうか?
Amazonの「プライム会員」制度について
Amazonは「プライム会員」への入会を執拗に推奨しています。
この「プライム会員」こそ、楽天市場やYahoo!ショッピングとの差別化戦略なんでしょう。
プライム会員(年会費:3900円)のコアとなるサービスは「配送に関する問題」の解消。
- お急ぎ便:朝頼んで夜届く、夜頼んで朝届くなどが全て無料
- お届け日時指定便:お届け日時の指定が無料
- プライム商品:全商品送料無料
個人的には「やりすぎ」のサービスだとは思っていました。
考えてもみてください。
- 今日中に手に入れなければならない状況など、1年に1回も発生しない。
- クロネコヤマトの会員(無料)であれば、荷物の配送予定がメール配信され、その際に日時指定が可能。
そんなわけで、年会費3900円は決して高くはないけれど、
それでも「会員になるメリット」を感じなかった「プライム会員」サービス。
日本における昨今の配送実態と、相次ぐトラブル
1年間に発生する日本国内の荷物は37億個。
一人平均40個/年の荷物を取り寄せたり、送ったりするのですから、相当な数です。
Amazonの「お急ぎ便」に関しては、
- 2013年には佐川急便が撤退し、
- クロネコヤマトもそろそろ撤退すると言う。
その結果、次の「お急ぎ便」の担い手は、盤石な体制の整えられない「小さな運送会社」。
盤石な体制が整っている大手運送業者でもお手上げなのに、小さな運送会社がこなせる筈もありません。
その結果、頼んだものがいつまで待っても届かない、というトラブルが相次いで発生。
本来、通常配送よりも速やかに配送されるべき「お急ぎ便」の商品が届かない。
プロとして仕事をするということ
あくまで、私個人の見解ではありますが、プロとしては失格だと思います。
想定外の事件発生などは除き、プロなら「必ず出来ること」を提供するべきだからです。
プロの仕事を追及している佐川急便や、クロネコヤマトは「出来ない」と判断し、撤退方針を早急に固める。
プロだからこその「受けない」という決断。
であれば、ネット通販のプロであるAmazonも、運送請負業者に窮している以上「プライム会員」制度を見直すべきではないのでしょうか?
- アンチAmazonの急増、結構じゃないか。
- ユーザーの反発も甘んじて受け入れようじゃないか。
とはならないものなのでしょうか。
- プライム会員はいつでも、何度でも使える「お急ぎ便」の必要性。
- プライム会員に向けた「配送に関する特典」は過剰すぎやしないか?
- ボリュームディスカウントの観点から、運送会社への運賃支払いが格安(一般の半値)。
荷物が多くなりすぎた今、事情が変わってきているのではないだろうか?
私のこんな発想は陳腐なのでしょうか?
- 経済学の観点から、あるいは、マーケティングの観点から、私の考えは間違っているのでしょうか?
- それとも、Amazonのプライム会員制度には、もっと大きな戦略があるのでしょうか?
侮れないAmazonの魅力
そういえば、7月10日(月)は年に一度のAmazon PrimeDay。
プライム会員限定、30時間限定のAmazonのビックセールが世界13か国で実施されたそうです。
プライム会員にとって、年に一度のビックイベントであり、この日に向けて、PrimeDay貯金をしている人もいるんだそうです。
プライム会員制度、恐るべし。
私も月1回以上利用する平均的(?)なAmazonユーザーです。
だからこそ、Amazonを選んでしまう理由はわかります。何故なら「プライム会員」でなくとも、Amazonの「送料」は他の大手ネット通販サイトと比べ、大きな優位性があるからです。
プライム商品限定ではありますが、
- 2000円以上なら送料無料
- 2000円未満であっても、全国一律350円
Amazonが意図する「送料の透明化」。一般消費者の嫌なことに焦点を置いた「賢い戦略」だと思います。
だけど、とうとうその素晴らしいビジネスモデルも「配送量の激増」で限界を迎えつつあります。
通販の弱点、それは店舗でのお買物と比較すると「送料」がネックになること。
だからこそ、Amazonは「送料」の「透明化」を追及し続けているのでしょう。
しかし、無理に現状のサービスレベルを保とうとすることで、
- サービスレベルの低下を引き起こし、
- 顧客離れが始まる。
これでは本末転倒だと思うのです。
確固たる地位を確立できない中小零細企業
弊社を始めとした小さな会社では、このAmazon現象が、日々発生しています。
- 「出来ないこと」を「出来る」と言って仕事を引き受けてしまう。
- お客様の言ってることを正しく理解しないまま、仕事を引き受けてしまう。
- 「仕事をもらいたい」一心で、平身低頭で仕事をもらってしまう。
そこから生まれるのはお客様との「不条理な関係」。
- お客様の「奴隷」に成り下がってしまう。
- 「奴隷」ではなくとも、お客様に便利に使われてしまう。
- いつもお客様に振り回されっぱなし。
お客様の意見が「絶対的に優勢」な状態になると、プロとしての役割は果たせなくなります。
何故なら、お客様に対して
- 正しいことを「正しい」と、
- 間違っていることを「間違っている」と、
伝えても、聞く耳を持ってもらえないから。
双方にとって「利」はありません。
- お客様に「プロ」として認められることで、はじめて「プロ」としての力量が発揮できます。
- お客様と対等の立場で仕事をすることで、双方にとって良い結果がもたらされます。
「プロ」の力量を活かすも殺すもお客様次第。
「プロ」として頼ってもらえることで、私達は最高のパフォーマンスを発揮できるのです。
とは言え、お客様のせいにしてちゃいけない。
自戒の念を込め、「プロ」としての様々な技に磨きをかけていきます!