私はROI(Return on Investment)が最も重要視されるべきだ、と考えています。
何故、ROI(投資対効果)に着目するようになったのか?
- 前職でROIが身に付いたのでしょうか?
- それとも、生まれ持った感覚なのでしょうか?
大学を卒業してから24年間、サラリーマンであり、商売人の家に育った訳でもない。
この感覚は何に由来するものなのでしょうか?
「投資対効果」は「勿体ない」という感覚とは異なる
実は、この「勿体ない」という感覚、商売人の家に育った人に根付いていると感じています。
16年前、ベトナム旅行に出かけた時のこと。
その当時、短期間であってもベトナムに入国する際、観光ビザ(=入国許可証)の取得ば必要でした。
※ 今では1ヶ月以上滞在する場合に限り、観光ビザ取得が必要
詳細な金額は覚えていませんが、7泊8日のベトナム旅行の旅行代金が15万円前後だったのに対し、
観光ビザの取得代行費用だけで6千円(?)程度だったのではないかと思います。
これに敏感に反応した私の友人は、自分で取得すると言い始めました。
この観光ビザの取得、ネットが普及した今となっては、
- 調べるのも簡単
- 取得するには、ちょっとした申請書作成と郵送手続きでOK
- 1週間ほどで取得できる
とお手軽になっているようです。
ただ、当時はまだ、メールやネット検索は徐々に普及しつつあるものの、今ほど便利ではなかったため、
彼女は我々4人分の観光ビザの取得手続きのために
- ベトナム在住の人にメールで連絡を取り、
- ベトナム大使館に出向き、
- 何かしら手続きミスをして2万円ほど無駄にし、
- 結果、4人分の観光ビザを取得
という一連の作業を行うことになりました。
私達にとっては、とても有難いことですが、彼女は結構な労力を注ぎこむこととなりました。
それでも何故か、彼女は満足だったそうです。これが「勿体ない」という感覚。
「商売人」と「それ以外の人たち」の間には、この「勿体ない」に対する感覚には「大きな差」があります。
そんな出来事や、弊社社長との様々な日常のやり取りから、「生まれ持った数字に対するセンスの差」であると、思い至りました。
「数字」が読めると本当に儲かるんですか?という本に対する疑問
先日、「数字」が読めると本当に儲かるんですか?という本を読みました。
読むきっかけは、
- 主人公の花屋の社長は、弊社社長と同じくらい、数字に疎く、
- 長い間「一見事業を拡大させつつ、赤字を膨らませる」というとんでもない経営を続け、
- 二進も三進もいかなくなって、とうとう凄腕税理士に泣きつき、
- 疑心暗鬼の中、凄腕税理士のアドバイスを実直に守って、V字回復させた
というお話だったので、
弊社にとって、学ぶべきことが多いのではないかという興味があったためです。
※ 弊社社長の失態は 経営コラム をご覧ください。
本の感想
まず、お伝えしておきたいのは、この本のタイトルに対する私の感想。
- 「数字」が読めるくらいで儲かるのであれば、私は大儲けできそうな気がする。
- でも、私はちゃんと知っている。「数字」が読めるくらいで儲けられるほど、世の中甘くないことを。
では、この本に書かれている個々の内容に関する、私の感想をご紹介しましょう。
- 決算書が読めなくても売上は上がる。
→ 決算書が読めないから(投資対コストがわからないから)売上を上げられるんです。 - お金は後からついてきます、という成功本の常套句を信じた。
→ 安売りをして売上を上げているだけなら、お金は後から付いてくることは絶対にありません。 - 忙しくなったら、先立つものがなくても人を雇う
→ 人件費は、経費の中で最も高額で、最も削減しにくく、最も慎重に決断すべき項目です。 - 会社の成長を願って人を増やす
→ 人件費は会社の「成長を」時には「存続さえも」脅かします。 - 10万円以上の売上があれば、10万円の広告が出せる。
→ 広告を出すことによって、新たに得られる「利益」が10万円を超えたら「効果あり」と判断されるべきものです。
※ もちろん、知名度を上げる目的であれば、この限りではありません。
「安売りをしてでも、売上数字を追いかける」なんて人が存在することに、大きな驚きを覚えました。
そして何より、
- この本を読まなくても、
- 例え、正しい計算式を知らなくても、
この位の事は、人間みな本能でわかるもの、だと思っていました。
そういう意味で驚愕の連続。
しかも、この本がよく売れている(つまり、同じ悩みを抱える人がたくさんいる)というのですから、
もう驚きが止まりません。
一応、この本をご紹介しておきますね。
「数字」が読めると本当に儲かるんですか? ~数字オンチのための「儲かる会計」が肌感覚でわかる本~
芽生えたもう一つの疑問
そして私の中に芽生えたもうひとつの疑問。
それは、簡単に起業する人が多い割に、ホームページへの投資を渋る人が多いことなんです。
疑問に思う理由は下記の通り。
- ホームページを運営していない(保有していない)
これは、リアルに起業はしたけれど、ネット上では起業していないと同じ事。
昨今、よほどの太いパイプ(コネやつて)がない限り、ネット上に存在しなければ、存在してないも同然だからです。 - ホームページを開設してはいるけれど、何の効果も感じていない(あるいは気にしていない)
現在、ビジネスがうまく行っているのであれば、特に問題はありません。
一方で、「ホームページなんて作っただけ無駄だった」と感じているのならば、放置しているのはよくないと思います。
何故なら、ホームページを開設していても、誰も見てないのであれば、存在していないのと同じことだから。
起業した以上、全ての始まりは「存在を認知してもらうこと」。
- 多くの人に知ってもらってはじめて、「忙しいのに儲からない」という状態が生まれる。
- 「忙しいのに儲からない」という状態は、「数字」が正しく読めるようになることで改善できるけれど、
- お客さんが誰もいない状態は「数字」が正しく読めても、改善する余地すらない。
- ホームページを開設したいけれど、お金がない。
- ホームページを作ってみたものの、何の効果も感じていない。どうにかしたい。
と思っている人は、一度、本気で「投資対効果」を考えてみることをお勧めしたいのです。
投資対効果を考えるとは?
これこそが、ホームページを運用する目標を設定する、ということになります。
- ホームページに何を期待するのか?
- 問合せ獲得を期待するのか?
- 売上獲得を期待するのか?
- ならば、月に何件問合せが獲得できればいいのか?
- 月に何件、売上が獲得できればいいのか?
ホームページを通じて獲得できるようになった問合せは、よほどのことがない限り、継続的に獲得できます。
- この「継続性」を鑑み、一体、いくらなら投資出来るのか?
- 投資した費用は、その後何年かけて回収できればいいのか?
広告と大きく異なる点は、
- 広告は一時の売上(収益)を生み出し、
- ホームページは、継続的な収益をもたらすもの
であると思うのです。
つまり、投資した費用を回収できた暁には、後は利益に転じるのみです。
世の中の投資は、全て先に出費が発生し、後に利益となって手元に返ってくるものです。
なのに、
- ホームページ制作の目的を持つ
- ホームページを運営することで目指す「具体的な数値目標」を設定する
というだけで、面倒だとでも思うのでしょうか?興味を失う人がとても多いものです。
それではいつまでも明るい未来は開けません。
闇雲に、安売りして売上を拡大し、赤字を蓄積しているのと何も変わらないと思うのです。
一度、ホームページに期待する目的や目標、考えてみませんか?