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2010年12月 尊敬して止まない稲盛さん

JALの再生がきっかけで「稲盛和夫」という人の存在を知ることになります。もう15年も会社経営をしてきて、稲盛さんを知らない方がどうかしてるのでしょうけれど、事実、知らなかったんです。

◆JALの危機を予見出来たある出来事

新聞も読まない、テレビも見ないそんな毎日の中でどのように情報収集していたのか、今となってはわかわからない。そんな私でも「JALがヤバい」という噂は耳にしていました。ノースウエスト航空に勤めていたことで、JALの知り合いもいるし、気にもしていました。遡ること25年。ノースウエスト航空は一番乗りで太平洋路線の「格安チケット」販売に参入。それを見たJALの知り合いは「お前んとこが安売りなんて始めるから、こっちはとばっちりだよ~」と言うのです。「そんなこと言うていつまでも殿様商売しとったら、今に痛い目みるぞー」と思っていた(口に出てた?)私。

◆JAL再生に向けた社長就任のニュースで稲盛さんを知る

JALの危機を耳にし「それ、いわんこっちゃない」と思っていた矢先。2010年1月のある日、たまたまテレビを見ていると「JAL再生に向けた社長が決定した」というニュースが目に飛び込んできたのです。25年前、意気揚々と殿様商売に興じてたJAL。そこから少しずつダメになって行ったJAL。私の予想では25年かかってダメになっていったのだから、再生に25年はかかるだろう。

そんなことを考えてる時、耳に飛び込んできたのが「就任したのは京セラの名誉会長」という言葉。名誉会長?会長ってかなりのご高齢?さらにアナウンサーは「京セラを創業し、現在名誉会長、更に第2電電の創業者でもある」と続けます。とっさに浮かんだこと。せっかくそんな大企業を2つも創業して名誉な功績を遺したのに、JALの再生で不名誉を残して死ぬことになっても知らんで、絶対やめといた方がいい」と。

その後稲盛さんがテレビ画面に登場。やっぱり思った通りかなりのご高齢。えっ?何歳?79歳?ななじゅうきゅうさい???あと25年て、生きてるんも難しいやん・・・

◆稲盛さんの言葉に大きな衝撃を受ける

ところが、そのあとの稲盛さんのセリフに私のハートは撃ち抜かれるのです。「私のやってきた事業とは全く異なる業種です。だからお役に立てるとは思えません。再三お断りしてきたのですが、今回で4度目です。このままどなたもJALの再生に取り組まないまま「倒産」を迎えるのはどうかと考え、そこまで言って頂けるのであれば、お受けしてみようと。しかしながら畑違いの仕事となるので「無償で私の出来ることをやらせていただく」ということを条件に、就任させて頂くことにしました。」

むしょ・・・無償・・・もちろん、それだけ有名で大活躍された方であれば、もうお金はいらないのかもしれない。無償ということだけでなく、79歳というご高齢で「他に適任が見つからない」ほど大きく難しい仕事を「無償で引き受ける」と言ってのけられるだけの人生を送ってきた人。その会見を見てからというもの、頭の中を衝撃が駆け巡り、全身の血がたぎって収まらなかったのです。世の中にはすごい人がいるもんだ。日本もまだまだ捨てたもんじゃない。私のこれまでの「頑張り」など一体なんだったのだろうか。

◆「盛和塾」に入会するまで

その後たまたま知り合った経営者の方が「盛和塾」の塾生で「志智さんも、盛和塾に入塾しませんか?」と誘われることになるのです。なんてタイミング、なんて偶然。脳は自分の欲求を満たすために「常にものすごい勢いで探している」と言います。それを考えると必然なのかもしれません。

経営のことも未だにさっぱりわかっていない。そんな私がそんな敷居の高そうな経営塾に入塾して、ついていける自信もない。お金も使い果たした後で財布も心もとない。しかも、入塾のためには面接もあるという。「不合格」ということもあるのだろうか?4回も現場見学に足を運び、とうとう入塾を決意します。ちょっとした社会経験と軽い気持ちで受けたノースウエスト航空の入社面接とは比べ物にならないほどの緊張。覚えているのは「永続的発展とはどういう意味かわかりますか?」という質問に「会社を永久に発展し続けさせるってことですか?」と答えたことだけ。果たしてこの答えは面接官の意図に沿っていたのかどうか、今もわからないままです。

◆京セラフィロソフィーに泣く

何はともあれ、無事入塾が決まります。面接後「京セラフィロソフィー」という稲盛さんの経営哲学が詰まった本を一冊頂きました。早速、帰りの電車の中で拝見。何故か涙が止まりません。会社設立から20年弱。思い悩んできた私の心の中での「信念や想い」が活字となって表現されていたのです。未だに経営のことがわからない私でも、根本的な考え方は間違っていない、と勇気付けられ、それと同時に決定的に欠けていることがたくさんあることをはっきりと認識した瞬間です。

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