経営コラム⑯ わざわざ「背水の陣」に追い込む

なんで思ったようにうまくいかないのだろう?長年の課題ではあるけれど、なぜこうも、思うようにいかないのだろう?

◆私の会社経営は「金持ちの道楽」か「お飯事」

そして思い至ったのが「背水の陣」に追い込まれていないからだ、という事実。当時、私はまだショップスタッフとしての活動を続けていたんです。その頃の私は、それまでのショップへの貢献が認められ、かなりまとまった額のお給料を手にしていました。

当初億を超える借金返済に追われていたので、かなりの額のお給料が入っても右から左。私が生活を送るためのお金って必要なかったんです。その結果、借金返済を終えると銀行口座に毎月大金が振り込まれ、どんどんたまっていく一方。銀行口座の預金残高がある金額を超えると、金融関係の人がどんどん近づいてきます。定期預金、投資信託、貯蓄型生命保険・・・知らないうちにため込んでいたようです。

そして気付いた会社経営のカラクリ。会社の売上が上がらなくても、自分のショップのお給料がある。そのお給料を会社の資金に流用して必要経費を、給料を支払う。だから何にも困らない。だからちっとも背水の陣に追い込まれることもない。「がんばるぞー」と気合いだけ。うまくいかないから大金つぎ込んで「採用だー」といううまくいくはずのないとんでもないカラクリ。「金持ちの道楽」と思われても仕方がない。

◆ショップスタッフを卒業し、資金を絶つ

遂にショップスタッフ卒業を決心し「自分の事業に専念するので、お店を手伝えなくなります」「だから、お給料は来月からいらないです」とショップ社長に宣言。自分を背水の陣に追い込めば、本領を発揮できるようになり、会社は急成長を遂げる。いい気なもんです。
そして翌月からショップからのお給料がストップします。

◆金の切れ目が縁の切れ目

太い収入源を切り、さすがに「やばい」と感じ「焦り」が募り始めます。今まで自分の好きなことをやっていても、さほど文句も言われなかった弊社の社員たち。事情は一変し、少々締め付けも厳しくなります。そうこうするうちに、一人、二人と会社を去っていきます。とうとうお金が底をつき、お給料がまともに払えない状態へと突入。くるべき時が来た。これからどうしましょうかね~。

「給料、今までの半分くらいになるけど、どうする?」に「一緒にやります」と答えてくれた制作スタッフは2人。有難いことです。「ほんじゃー営業に行ってきまーす」実際、顧客はいたので全員去ってしまっても、私自身は事業をほっぽり出すわけにはいかず、ほっぽり出す気持ちもさらさらないわけで。どん底でも「諦める」ことを知らない私は、気持ちだけはまだまだ熱く燃えていたのです。

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