先日、何かのテレビ番組で、ガリガリ君で有名な「赤城乳業」の若手社員の方が、
「ガリガリ君 ナポリタン味」を発案し、3億円の赤字を拵えたことを、楽しそうに話していました。
赤城乳業という会社を調べてみました
あまりに楽しそうに「失敗談」を披露する、若手社員の姿を見て、俄然、赤城乳業さんが気になりました。
赤城乳業の企業スローガンに度肝を抜かれました。
なんと、「あそびましょ」。
その心は、
- 「遊び心」を大切にする赤城乳業であり、
- 「おいしさと楽しさと豊かさ」を提供する「ドリームメーカー」
ということのようです。
ドリームメーカー、いい響きです。
そんな「夢を造る」会社が求めている人財とは
- チャレンジ精神が旺盛で、
- 人と人との繋がりを大切にし、
- ちょっとした無理難題くらい、解決してみせるぜ!という強さ、意気込みを持ち、
- オールラウンドプレーヤーよりも、ちょっと他とは違うインパクトがあり、
- 素敵な笑顔を振りまける人
更に、
- 自分が好きで、
- 夢見る夢子ちゃんでありながら、
- 「現実」という制限、規約、障壁のある少し「不自由」な中で地道に「自由」を追求できる人
なんだそうです。
「是非、働きたーい!」と思ったけれど、赤城乳業さんは、若手のぴちぴちをご所望のご様子。
誠に残念です。
ガリガリ君 コーンポタージュ味の発売
ナポリタン味発売の3年前。
ガリガリ君リッチシリーズで「コーンポタージュ味」を発売し、3日で品薄になるという大ヒットを飛ばします。
実は私が「ガリガリ君」に注目したのもこのタイミングです。
注目ポイントは、
- アイスキャンディーなのに「コーンポタージュ」と言うミスマッチ。
- ミスマッチにもかかわらず、バカ売れしているという不思議。
残念ながら、私がお店に行った時には時既に遅し、買い求めることは叶いませんでした。
そして始まった毎日の「コーンポタージュ味」入荷チェック。
来る日も来る日も近くのスーパー、コンビニのアイス売り場の偵察に余念がありません。
そして、遂に手に入れた幻の「コーンポタージュ味」。
- 今思えば温かい「コーンポタージュスープ」の方が美味しいに決まっているけれど、
- 「違和感」と「インパクト」と「幻」があいまって、感動したのを覚えています。
本来、冷たいものが苦手な癖に、この「コーンポタージュ味」をきっかけに、ガリガリ君リッチシリーズに目覚めた私。その後、リッチシリーズの新味登場は常にチェックしています。
このインパクト作戦。本来、アイスに興味を持たない客層を、
「違和感」演出による「興味喚起」で、アイス業界に取込むという 奇襲作戦 に脱帽です。
その後相次ぐ失敗
インパクト作戦に見事成功した赤城乳業さんは、翌年、シチュー味を、翌々年、ナポリタン味を発売します。
翌年のシチュー味は購入するも、昨年同様の感動は得られず、ここで私は「インパクト」による夢から覚めます。
夢から覚めた私は、翌々年のナポリタン味をスルー。
その後「ナポリタン味がくそ不味い」と話題になっていることを知り、食べておくべきだったと後悔しています。
このナポリタン味
- お客様から「不味い」「ふざけるな」「いい加減にしろ」と連日お客様センターにクレームが殺到し、
- 3億円の赤字をたたき出す、
という歴史的記録を残すわけですが、
赤城乳業さんの凄いところは、その3億円の赤字もちゃっかり話題にしちゃってるところでしょうか。
- おもしろさや、インパクトだけじゃだめなんだ、と高い授業料を支払って勉強しただの、
- 「やっぱり美味しくないものは売れない」ことを、身をもって知っただの、
「おいしさと、楽しさと、豊かさを提供するドリームメーカー」と高らかに謳い、
当然知ってる筈のことを、はじめて学んだとばかりに、話題にしちゃっています。
しかもこのナポリタン味、コーンポタージュ味 → シチュー味 とくれば、次はカレー味でしょ?と期待に沿うことを拒み、
- 「世間の予想をはるかに超える衝撃を」と自らハードルを上げ、
- 勝手に自爆した
というのですから、チャレンジ精神旺盛どころか、冒険好きな会社であることは間違いないでしょう。
失敗から得た教訓
赤城乳業さん、元々美味しいものを日夜研究されていた筈なんですが、
この「ナポリタン味」を教訓に、
- 「2度と不味いものは作らない」と志を新たに誓い、
- 食品メーカーとして当たり前のことなのに、「二度と不味いものは食べさせないぜ!安心しなよ、ベイビー!」感を醸しています。
このあたり、赤城乳業さんらしくて、なかなかにくい演出です。
満を持して、昨年は「メロンパン味」を、今年は「レアチーズ味」を発売。
- 残念ながら「メロンパン味」は食してませんが、ネットで調べた限り「メロンパンより旨い」らしいです。
- 今年の「レアチーズ味」は、濃いのにさっぱりしていて私の知る「ガリガリ君」の中ではトップクラスのクオリティー。
さすが、大失敗が見事に生きてます。
赤城乳業さんにはなれないけれど・・・
赤城乳業さんは、規模的には大企業ではなくとも、
- LOTTEや明治、森永乳業と言ったそうそうたるアイスメーカーに一目置かれ、
- ガリガリ君は1年間に4億3千本を売り上げる「アイスキャンディー」の代名詞的存在であり、
なにかと話題には事欠かない魅力あふれる会社です。
この「話題に事欠かない」というのが、マーケティング戦略であり、集客ノウハウだと思うのです。
赤城乳業さんと違って、弊社には
- 「ガリガリ君」のようなキャラクターもいなければ
- 「ガリガリ君」のようなヒット商品もない
- 会社としてのネームバリューもなければ
- ブランド力もない
- 当然、資金力もなければ組織としての体力もない
だから、大失敗は会社生命を脅かします。
そんな私達に残されたマーケティング手段は、継続的な発信。
赤城乳業さんにはなれなくても、大事にしていることは同じなんです。
- 地道に弊社の活動を訴求し、
- 人と人との繋がりを大切にし、
- チャレンジ精神旺盛に、
- 諦めることなく目標に向かって突き進む
組織として、経常的な情報発信をはじめてもうすぐ半年。
お客様との絆が、少し強くなったような気がします。
最後に
私のおすすめ「ガリガリ君リッチ」シリーズをご紹介しておきましょう。
- フォンダンショコラ味
- レアチーズ味
- あずき大福味(もう買えないかもしれない)
- 黒蜜きなこ味
- 桜餅味(もう買えないかもしれない)
といったところでしょうか。
是非、お試しくださいませ。