ホームページ集客:「隠したい過去」も人生の宝

私には隠したい過去があります。
でも、その過去が私を育てたような気がします。
消してしまいたい経験があったからこそ、「見えてなかったもの」が「見えるようになった」からです。

「隠したい過去」に至る原因

過去を振り返って考えてみると、自分自身のことが全く分かっていなかったということ。

付け加えるならば、個人的な「好き嫌い」で判断してしまったということが諸悪の根源というところでしょうか。
「隠したい過去」、それは10カ月間の美容部員としての活動履歴。

何故、間違ったのか?

だから、美容部員という言葉に魅力を感じてしまったんです。
「趣味と実益を兼ねる」と短絡的に判断してしまったんです。

周りはちゃんとわかっていたのに

美容部員になるために、「大企業の社員」という安寧の地を捨てるという選択。

でも、私は「美容部員」になってみたかったんです。
だって、家電製品よりも化粧品が好きだし、向いてるんじゃないかしらと。
まるで子供の夢のように、今思えばあまりにも浅はかな判断だったと、お恥ずかしい限りです。

人間の価値観は徐々に形成されるもの

「美容部員」になったところで、今までの経験は何も活きません。
つまり、なんのアドバンテージもなく、いい年して「新人になる」ということを意味します。
そこまでは、ちゃんと理解していたように思います。

意外だったのは、私自身に「ビジネスマンとしてのプライド」が植え付けられていたということ。
サラリーマン時代、一度も「ビジネスマンとしてのプライド」を自覚したことはなかったんです。
プライドなんて、邪魔なだけで何の役にも立ちやしない、位に考えていた筈だったんです。

困ったことに、ビジネスマンとしてのプライドがしっかりと芽生えていたんです。
このプライドが、美容部員としての活動の妨げになります。
これまでの経験はアドバンテージどころか、足を引っ張るマイナス要素にしかならないという現実が立ちはだかります。

女の世界を甘く見ていた

そこに追い打ちをかける「女の世界の難しさ」。
会社には、女性もたくさんいたけれど、どちらかと言えば男社会で24年間過ごしてきた私には、想像すらできていませんでした。
大学時代、「女子大の音楽学部」という特殊社会の中で、まるで馴染まず辟易とした過去の経験など、思い出しもしなかったんです。

もちろん、大学時代の「それ」とは違います。
もっと「女社会」ならではの、薄暗いものを経験することになります。

私には皆目見当もつきませんでした。
そんな中での生活は、大きな困難を伴います。

お店は一人のボスの独裁政権です。
彼女の城であることは事実ですから、支配して当然と言えば当然なんでしょう。
ボスにとって目障りな、新人の私を排除することなど、朝飯前です。

会社を退職して3ヶ月後、私は待遇のみならず、居心地のいい職場を失ったことを痛感します。
私のかつて居た場所は、時折問題はあっても、良識ある大人達が働く場所だったんです。

 

こんなことに躓くのか・・・。愕然としました。
私の想像を遥かに超える出来事だったのです。

でも、本当のピンチはここから

そうこうするうち、新店舗オープンが決まり、私の新店舗異動が決まります。
私の居場所を奪ったボスとの決別。それは「大きな問題から解放されること」を意味します。

「これからは頑張ろう」と志新たに、6ヶ月目に新店舗へと異動しました。新店舗へ異動してからというもの、

ところが、オープンから3ヶ月、まるで無風です。

もちろん、お客さんと、お店のニーズがマッチしてなかったことが、ひとつの原因であることに間違いありません。
でも、それ以上に大きな原因は、お店の認知度、お店の商圏の基盤確立が出来ていなかったことなんです。

特に敷居をまたぐのに勇気がいるエステティックサロン。
調子のいい「スペシャルオファー」など、怖くて近づけないというのが、お客さんの本音というところでしょう。

「売り手」の前提、「買い手」の前提、もっと大事な安心感

この事実に気付いたのは、お店を辞めて半年後。
お店側の当事者になってしまうと、お客様心理が見えなくなるという不思議。
何故、こんなにも「分かっていた筈の顧客心理」が見えなくなってしまうのでしょうか。

弊社で、顧客マーケティング担当として活動しはじめて、全ての現象が繋がったんです。

「売り手」と「買い手」は商品に対する「前提」が変わってしまうということ。
そんな簡単な事実が見えなくなってしまうのです。

前提とは、

ここには大きな埋めることの出来ない「溝」が存在します。

百戦錬磨のマーケッターや、人気コピーライターならば、一発百中が狙えるのかもしれません。
我々は、あの手この手と諦めずに色んな作戦を繰り出すしか、成功への道はありません。

そしてなにより、戦術のベースとなる「安心感の醸成」には時間がかかります。
安心感の醸成とは、お店の認知度、商圏の基盤確立が出来るということ。
お店の存在が認知されるまで、

ただ、そんな毎日を送るうち、ふと、自分自身の本音に気付いてしまったんです。

「こんなことではもうだめだ」、とうとう10ヶ月目にして転職活動を開始したのです。
無事、美容部員を卒業することとなりました。

転職は失敗だったけれど・・・

結果として私の目論見であった、第二の人生は失敗に終わりました。
だからと言って、私は後悔してるわけではないんです。

サラリーマンを卒業したからこそ、等身大の私を正しく理解することができたからです。

3歳から22歳まで、毎日毎日ピアノの練習をし続けて、長い歴史だと思っていたけれど、思えばたった20年。
24年間という会社生活は、知らず知らずのうちに、私に大きな変化をもたらしていたことになります。

私の転職は、ITに対する苦手意識から、過去の経歴を活かさないという結論に至るも、

失敗経験を通じて、自分の至らなさに気付くことにもなりました。

経験してみないとわからないことの方が多いものだし、経験に基づく話には、説得力があります。
サラリーマンとしての私の行動は、「知ったかぶりの押しつけだった」部分があると、少し反省しています。

失敗の実体験を通じて、はじめてマーケティングを語って許される立場にたどり着いた、そんな風に思っています。

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